バブル期は土地が高騰していたためいわゆる上地買い占めが行われ、節税対策として値上がり物件を借金で購入し、その多額の金利を費用で落として節税する手段が横行し、一方売却時にはこの金利分も含めて高額譲渡をしたことが地価高騰につながったことから、土地購入に関する金利の損金算入に特別の制限措置を設けました。
この制度がわかりにくいこともあって、税務調査で否認されているケースがみられます。
土地等(借地権、地上権等土地の上に存する権利を含む)。
国外の土地を含む。
なお、土地収用等一定の土地の取得は対象外=海外の土地取得にも歯止めがかけられている一方で、会社に現物出資された土地等、法人税に定める交換による取得や土地収用法の規定に基づく土地の取得、市街化区域以外の農地の取得は対象外とされています。
資産総額に占める土地等の割合が七〇%以上の法人の株式または出資の取得を含む=時価ベースでみて総資産に占める土地等の割合が七〇%以上の同族会社の株式または出資を三〇%以上取得した場合にも適用されます。
新規に土地等を取得してから四年間(取得した日から満四年を経過する日までの期間で、一月未満の端数は切り捨て)の利息については、税務上は金利相当額を棚上げして費用処理を認めていません。
四年を経過した日の翌年度から四年間にわたって四分の一ずつ申告書で減算(費用となる) します。
ただし、四年を経過する日までに、長期間使用される建物、構築物の建築に利用した場合(その他にも認めている)には、建物・構築物が完成し利用が開始された日の前日までの期間が損金不算入期間とします。
なお、建設される建物・構築物については簡易なものでは認められず、建物については三・三平米当たり一五万円以上、構築物は耐用年数が二〇年以上のものに限定されています。
この限定条件をクリアーするための対策の検討も必要となります。
なお、一五万円基準は、広大な敷地に一〇坪(坪一五万円)の建物がたっている場合に、全体の土地をセーフとするわけではなく、当該建物に通常必要と考えられる土地部分がセーフとなることは当然でしょう。
まったくの無借金経営の会社以外は、会社に支払利息が発生していれば、まず土地等の取得に当てられた借入金の利息とみなされるという制度です。
金に色は付けられないとはいえ、かなり厳しいといわざるを得ません。
不算入となる利息額の計算の詳細は省略しますが、その利率は六%、またはその事業年度の外部調達資金の平均利子率(土地購入のひも付きレートではないことに注意)のいずれか少ないほうです。
会社の資本金は事業の元入金であり会社の基本財産です。
また第三者からの提供資金である借入金は返済を伴うのに対して、会社のオーナーである株主が提供する資金である資本金は返済義務はありません。
また、借入金に対する支払利息は会社経費となりますが、資本金に対する配当は経費とはなりません。
景気の変動の中で企業はこの資本金を増額したり減額したりします。
販売・仕入といった行為とまったく異なる資本金の増減にも法人税が関係してきます。
一般には増資は会社規模の拡大に合わせた株主からの資金の追加調達ですが、中小企業にとっては事業承継対策等で第三者割当増資するケースが多いのではないでしょうか。
増資で税務が絡むのは含み益のある企業が行う増資の発行価額の問題で、新株の発行会社ではなく、出資会社および他の株主との間で税務問題が関係してきます。
発行価額が問題=無償増資はもちろんですが、金銭出資でも株主割当増資の場合は、株式発行価額について問題となることはありません。
しかし、それ以外の増資については時価発行以外は発行価額が問題となります。
つまり、現物出資の場合、金銭出資でも増資により出資割合に変化が生じる場合には、その新株の時価に対する発行価額が問題となります。
具体的には時価と発行価額がおおむね一〇%以上乖離している場合が問題となります(有利発行)。
たとえば、金銭出資による増資のケースで会社オーナーの後継者に対して当該企業の株式の時価に比べて著しく低い価額(たとえば額面価額)により増資を行った場合(相続税対策)に起こります。
含み益の移転に対して、贈与税や所得税が課税されるケースが出てきます。
また、現物出資の場合は、金銭でないために、現物出資財産の時価が新株の時価および新株の発行価額に一致していないと、現物出資者、発行会社、他の株主との間に経済的利益の移転があったとみなされて、利益を享受した法人や個人は法人税や贈与税が課税されるケースが出てきます。
実務上は株式の時価の算定(株価計算)が一番難しいところです。
みなし配当課税=定時株主総会で配当可能利益を資本に組み入れる場合、また取締役会で利益準備金を資本に組み入れる場合は、これは利益の配当とみなされます。
したがって、株主である会社には受取配当の場合と同様の課税措置および益金不算入の非課税措置が適用されます。
また、所得税の源泉徴収も行われます。
なお、資本準備金の資本組み入れはもともと株主が出資した金額の一部分ですから、みなし配当の問題は生じません。
なお、資本金増加に伴い、株式の発行費用として、株券の印刷費用、登録免許税、弁護士等の手数料等が発生しますが、これらの費用は通常営業外費用に処理されますが、繰延資産に計上して三年以内の期間忙自由に費用処理できます。
減資とは資本金を減少させることをいいますが、イメージとしては一般にマイナス面があります。
主な理由としては、会社決算上の欠損金を一掃する目的で減資するケースがもっとも多くみられます。
債務超過会社が一〇〇%減資後に増資して会社を再スタートさせる場合もみられます。
このほかにも、単に資本金を小さくすることが制度上有利な場合に減資するケースや、合併比率を調整するために減資するケース等があります。
減資は株主だけでなく、会社債権者にとっては会社の基本財産を減少することになるので、法律上減資の手続きは株主総会の特別決議をけじめ厳しく定められています。
減資と法人税=減資というのは増資同様に資本取引であるところから、減資により減資差益や減資差損が発生しても税務上益金や損金になりません。
あえて減資について法人税上注意するのは、三つあります。
みなし配当=有償減資で減資による払戻金が資本金より大きい場合に、会社の利益部分の払い戻しと認められる場合には、利益の配当とみなされて「受取配当金」として処理される。
欠損金繰越控除=繰越欠損金のある会社が、減資により決算上欠損金が消去されても、税務上繰越欠損金控除の恩典は消えずに残っています。
株主の処理=投資先の会社が減資をした場合、無償減資や有償減資でも払戻金額が少ない場合には投資先は減資差益を計上していますが、投資側は評価損の計上はできないことに注意してください。
そして減資後所有株式数が減少した場合には一株当たりの帳簿価額が変化するのみです。
日本企業の空洞化現象は一部の大企業に限らず、むしろ優れた技能・技術をもった中小企業の海外進出が増えている状況です。
アジアを中心に海外進出を図る企業も多くなってきました。
それとともに外国税額控除、移転価格税制、タックス―ヘイブン課税、PE課税とかいう言葉が目につくようになってきました。
中小企業の税金対策を考えるのに海外も含めて考える時代になったといえます。
海外取引に関連する法人税の制度は法人税のなかでも特に難解な分野ですが、ここでは基礎知識を概略理解しておきましょう。
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